鹿島市は、平成13年11月に『東アジアオーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワーク』への参加申請書を環境省へ提出しました。
このネットワークは、渡り鳥の生息地の生態系そのものを保全していこうとする世界的規模のものであり、現在9カ国29地域が登録されています。市は、新籠沖の干潟を『鹿島新籠』として申請し、登録されれば国内で5例目、有明海沿岸では初めてとなります。
市では、ネットワークへの登録を機に、渡り鳥達が羽を休めることができる環境保全の取り組みを、市民の皆さんと一緒に行っていきたいと考えています。
B.B.Andres氏撮影(米国魚類野生生物局)
シギやチドリ類の渡り鳥は、図1
のように、6月から8月までシベリアで繁殖し、11月から3月までは、オーストラリア付近で越冬します。その最長で約12,000?におよぶ長い旅の途中に、有明海に立ち寄ります。
干潟には、渡り鳥達のえさが豊富に存在しますが、グラフ1を見てください。年々鹿島市の干潟に来る渡り鳥の数が増えています。これは渡り鳥自体が増えているのではなく、休憩し食事をすることができる干潟が少なくなっていることが原因であると考えられます。
このような中、同ネットワークのダク・ワトキンス事務局長が来鹿され、「市内の干潟は渡り鳥達にとって重要であり、同ネットワークへ参加してほしい」との要請がありました。
市では、同ネットワークへの参加基準の一つを『チュウシャクシギ』ほか3種が満たしていることを確認し、関係機関との調整を進めた結果、参加の意向を決定し、申請を行いました。
【参加基準 鹿島新籠が満たしたもの】・総固体数の1%が飛来している
<チュウシャクシギ> 総個体数約4万羽 飛来数 850羽(約2%)

市では現在、山・川・海を一体のものと考え、環境保全活動に取り組んでいます。山は海の森事業で植林を、川は公共下水道や合併処理浄化槽の設置を、海は美化活動などの水質浄化活動を行っています。
同ネットワークへの登録を機会に、皆さんもどうすれば有明海の環境を守れるか考えてみませんか。『自分の周りに木を植える』とか『川の美化活動に協力する』とか、小さくとも一つひとつの活動が環境を守ることにつながります。ご協力をよろしくお願いします。
有明海は渡り鳥にとって長い旅の途中で立ち寄り、羽を休め食事をする『民宿』みたいなもの。この民宿の主人は『市民』皆さん達であることを強く認識していただきたいと思います。旅人である渡り鳥を民宿の主人である皆さんが、暖かくもてなすことができるようになればと思います。ネットワークに登録され、5年の節目を数えた平成19年度には記念イベントを開催しました。
また、今後も観察会や環境教育の実施、環境美化活動などを展開し、生息地の保護と自然豊かな有明海の保全に努めていきたいと考えています。